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■ オジーの東京ブラツ記0026 『サントリーホール《マタイ受難曲》』2016.03.10

『サントリーホール《マタイ受難曲》』

 聖トーマス教会合唱団&ゲヴァントハウス管弦楽団の《マタイ受難曲》の音楽会に行ってきました。 演奏時間が3時間半も掛かる、クラッシック音楽の中でも指折りの名曲を聴いてきました。
 
 元はキリスト教徒の聖金曜日の礼拝のために作られたそうで、キリスト教信者でも無い私にとっては難解なものでした。 少年合唱団の歌声やオーケストラの演奏、そしてソリスト6人ものオペラの歌声と、エネルギッシュな指揮者の芸術的パワーに圧倒され感動しました。
 
 大筋のストーリーは、イエスキリストが迫害を受け、ユダの裏切りやペトロの離反に因って十字架で磔にされ処刑される。 と謂う物語をオペラ様式に表現するのです。 厳密に謂うとオペラ様式では無く、合唱とオーケストラが織りなす壮麗な音の絵巻であり、根底にバッロック協奏曲が横たわって居るそうです。
  
 実は、私は信者では無いが学生時代はミッションスクールに在籍して居まして、週1回(単位取得の打算も有り)礼拝堂で神妙に礼拝して居ました。 聖書を読み上げるのを聞きながら黙読し、讃美歌を歌い、荘厳なパイプオルガンの音色に酔い、「アーメン」を唱えて居ました。 寧ろ私は仏教に興味を持ち、昔より日本人の生活に密着していた仏教文化、根本仏教に深い勉強心を持ちました。 一時期は根本仏教を学べそうな講習会にも参加していましたが、45年も経った今は、唯のズボラな無宗教に為って仕舞いました。
 
 今回の音楽会に拘わらず、私は芸術文化全般に興味を持って居ます。 64歳にして東京に単身赴任してから4年、郷里に居た頃より生活が大きく変わりました。 色々な事が変わりましたが、芸術文化・芸能文化に於いては著しく変り、音楽会を初め観劇会、絵画展覧会を鑑賞しています。 オペラにミュージカル、バレエにシンホニー、歌舞伎に宝塚歌劇。 そして外国の絵画、日本の展覧会、その他本当に沢山の芸術鑑賞をしています。 

 文化は、代々受け継がれる無形の文化遺産や、物として残る有形な文化遺産など計り知れないくらい有ります。 それらの多くの物はこれからも代々受け継がれることでしょう。 そしてそれが又、素晴らしい文化と成るのでしょう。

 マタイ受難曲のクライマックスは終盤のイエスキリストの最期とともに天変異変(皆既日食、地震)が起き、最終合唱曲の「われら涙してひざまずき」で深い感動の終演となりました。