『東京下町の夏まつり』
上野界隈の夏まつりは入谷鬼子母神の「朝顔祭り」に合羽橋通りの「下町の七夕祭り」そして浅草の「ほうづき市」、その少し前に「植木市」と目白押しです。 お江戸に来てから2度目の朝顔祭りでやはり人の多さと伝統のお祭り文化を伝承している事に感じ入ります。 先祖の諸霊を慰め生ける人達のコミュニケーションを大切にして行くのでしょうね。 昨年はほうずきの鉢を一つ買って仙台に送りましたが、最初に一輪咲いて後はツルが伸びるだけだったそうです。 観賞用の草花はかなりデリケートらしく、その地域土地のバクテリアが合わない、とか水掛の時の声掛けが適切で無いと咲かないと謂われています。 この朝顔の場合はどうなのか判りませんが、或る人などは草花に「咲かなかったら斬るぞ」と脅したら、次の年は健気にも綺麗に咲いたそうです。 草花も危機感を察して実を結んで子孫を繁栄させないと、と思ったのでしょうかね、真意は草花に聞かないと私には解りません。 下町の七夕祭りは、わたしの故郷の仙台七夕とついつい比較してしまい豪華絢爛さに劣るな、などと見てしまいます。 地域の伝統のお祭りは元々比べるものでないから、それぞれ良さが好いのだと思います。 竹笹の薬玉(くすだま)から五色の吹き流しがそよそよと流れ、人々の流れが天の川の様に輝き瞬いている。 時折断続的に楽隊と踊り手がマスゲームの様に道一杯にパホーマンスしながらパレードしている。 また祭囃子が間断なく鳴り響き御輿が若者たちの肩に乗って練り歩いている、 担ぎ手はお囃子に合わせ声掛けし歩調を軽やかに合わせて汗を流していた。 見た目よりは相当にきつそうだが私が入ったら肩が担ぎ棒まで届かないから楽ちんだと思ったね。 この合羽橋通りは古くからの商店街らしく上野から浅草まで繋がって、そしてその道のど真ん中にスカイツリーが観え、超ハイテクのスカイツリーが望める商店街通りとしても名高くスカイツリーの撮影スポットでもあるのです。
ほうづき市は浅草寺境内に沢山の露天が立ち並び、「鬼火」とも謂われる真っ赤な実をたわわに点けた鉢が並べられていました。 未だ少し青味の多い鉢を選りすぐって買い求めて行く人達は、まだまだ江戸の情緒を大切にしている様だなと感じました。
そんな夏まつりのさなか、郷里より訃報の知らせで急遽里帰りしました。 長男の義父で親戚となって未だ7年で3回くらいしか会って居ませんでしたが、古希となってまだまだこれから元気で活躍する年代でした。 わたくし凡人からすると特異な人の様に思えました。 4〜5年前から自分でも知りながら病魔に犯されたそうです、その後秘かに独自に投薬治療を続けて居ましたが、最期を自覚して延命治療をしないホスピスで天に召されたそうです。 1ヶ月くらい前には自分の両親に倣って神の子として洗礼を受け、穏やかに静かにこの世と別れたそうです。 私個人としては自分の命の尊厳などは一度も考えたことがありません、ただただ生きているうちは、生かされているうちは死ぬまで生き続けるだろう、と単純に漠然と思っているだけでした。 しかも彼は生涯、仕事として研究していたその病魔に犯され、もしかして身を挺して研究していたのだろうか、そんな単純な事ではないと思いますがね。 家族への遺書には「喫煙はしない方が良い」と書き残されていたそうです。 私の長男も結構煙草を吸います、しかも私の妻の家筋に癌で亡くなった人が多いのです、肺がん、腎臓がん、胃がん。 癌は一般に遺伝子で隔世遺伝とかも関係があるのではないかと謂われています。 煙草などは嗜好品ですから、いくら他の人が忠告しても一向に聞き入れないものです、自分の考えで自分で決断するより他はないですね。
そんな慌ただしい「夏まつり」と「帰郷」もおわり、東京も本格的な猛暑で来週末は隅田川花火大会です、夏本番です
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