戻る
■ オジーの東京ブラツ記0010 『伊豆半島』2013.05.02

『伊豆半島』
 
 先日は上野某組合旅行会で伊豆半島の真ん中あたりの「大仁温泉」に貸し切りバスで行ってきました。 ホテルの各客室、宴会場、露天風呂からは日本一の富士山の雄姿を眺めることが出来ます、生憎とこの季節は靄がかかって居て綺麗な姿は観られませんでしたが途中御殿場のパーキングエリヤでは最大級の雄大さを満喫していました。 このホテルは往年繁盛したらしく点在する離れの客室には、その昔長嶋茂雄氏家族が自主トレで長期滞在して居たそうです、私もこの雰囲気のある薄暮の庭園を独り散策して暫し東京の雑踏を逃れる様な気分になりました。 露天風呂で白い稜線の富士を眺めながら身体を癒し、宴会場へと向いました、宴会場も矢張り富士の眺望を強調し舞台の後ろの壁は総ガラス張りでまるで富士山の緞帳でした。 乾杯の後はお決まりの仮装カラオケ大会、何故か支給された物は奇抜な女物ばかり、選曲した唄に似つかわしいかは全くお構いなし、私も取敢えず赤いヒラヒラミニスカートに黒の目の粗いタンクトップ、真っ赤なアフロヘヤーで北島三郎の「♪まつり」を熱唱しました、このアンバランスさが想像できますか、当の私にも理解できない。
 
 伊豆半島には過去に三度ほど訪れていました。 最初は二十歳の頃に小学校時代の友と伊豆稲取より伊豆の大島に船で向かいました、友が旅行マニアで全ての段取りを決めて私はそれこそ大船に乗った気分で楽ちんでした、だから余り細かい事は忘れてしまいました。当時は新幹線も無いから東北本線、東海道本線、伊豆急行と乗り継いで稲取温泉に着き、多分一泊して朝に船で大島に渡った気がします、春先の頃で車窓から柑橘系の実がたわわに点いて居ることに感動していました。 
  伊豆の大島に着き三原山に登りました、当時は大噴火の前だったので今はきっと風景も変わったでしょう、当時都はるみの「♪アンコ椿は恋の花」の大ヒットでアンコ姿の記念写真を撮らされました、これも数少ない不本意な女装の一つかも知れない。 翌日の乗合バスでは全くの偶然で矢張り小学、中学時代の親友とバッタリ遇った。 彼は伯母さんが大島に嫁いで居て遊びがてら農作業のお手伝いに来ていたそうで、共通の友人の私たちと遭ったら急に里心が点いてそのまま一緒に帰ると言い出した。 そこは何とか押し宥めて別れ帰路羽田までの飛行機に飛び乗った。
 
 二度目は子供達が小学生頃の家族旅行で熱海温泉に行きました、熱海の海岸を散歩して海辺のホテルに泊まりました、翌日は確か乗合ツアーバスで下田、石廊崎を観光して最寄りの東海道新幹線の駅まで一周した様な気がします。 そんな子供達も直ぐに大きくなり夫々の行動で、再び家族旅行などと謂う事などはありませんね。
 
三度目は今年の春に「河津さくら」の観桜会で行きました。 会と謂っても三人でのドライブツアーで、その日は天気も良く穏やかな絶好なドライブ日和でした。 東名高速道を離れて海岸線を南下して熱海、伊豆高原、伊豆稲取温泉、河津、天城峠、浄蓮の滝、修善寺と伊豆半島東半周のドライブでした。 
 熱海の梅園ではほぼ満開を過ぎた梅と緋寒桜を観ながら以前の印象より温泉街の大きさに驚いてしまいました。 次に観たのが城ヶ崎で灯台と荒々しい岩礁に架かった吊り橋です、「♪城ヶ崎ブルース」の歌碑と吊り橋はカラオケの映像によく使われていて観るたびに「行ってきた処」と嬉しくなります。 
 その日の宿は伊豆稲取温泉でロビー、客室、浴室、露天風呂からの眺めは全てオーシャンビューです。 海は涛静かに限りなく紺碧く、遠くに霞む島々、時折進む船影の風景は私の心を穏やかに且つ限りなく心躍るのを抑えきれなくなります。 深夜の露天風呂は満天の星が降り注ぎ、暫らく観る事が無かった星座の位置を手に取るように確認しては独りではしゃいで居ました「あれが北極星!」「あれが北斗七星!」「あれがカシオペア座!」。 
 翌日は河津桜観桜でしたが満開は過ぎ一週間遅れたと謂う感じでした、河津桜は緋寒桜とかで一般的なソメイヨシノとは少し趣は違いますが、それでも結構な人出で賑わい又来て観たいと思いました。 
 ループ橋、を通り天城峠を越えて浄蓮の滝に行きました、滝としては私の故郷の「秋保大滝」より迫力は欠けますが清楚な感じに見受けられました。   浄蓮の滝の謂れや故事が書いてある板看板に眼をやると女郎蜘蛛の伝説が記されて在りました、よく読んだ後に但し書きの様に書かれたものがあるのです。   つまりこの女郎蜘蛛伝説の内容を他人に話したりすると何か怖い目に遭ったり滝に吸い込まれてしまうと謂う話、だから絶対に他言してはならないと。 怖いですね、だから私もこれ以上は云えませんので興味のある人は直接行って読んで観て下さいね。 よく霊験あらたかな山岳神社等でご神体の実態を決して俗界で他言してはならないと掟が在る様に、信じたい人は直接に詣でて下さいと謂う事ですかね。
 カラオケ18番「♪浄蓮の滝」の歌碑を後にして次もカラオケ名曲の「雨の修善寺」です、修善寺の界隈は川も流れて門前街と謂うか雰囲気があり矢張り歌謡曲に唄われる風景にピッタリですね。
 そして今回の伊豆旅行でした、伊豆は何時行っても良い処ですね、まだまだ行きたい温泉、何度も行ってみたい温泉と沢山あります、故郷みちのくにもたくさんの温泉が在りますが、東京でもあちらこちらと歩き捲り秘湯露天風呂も探して温泉画像も撮り捲りたいですね。